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20年ぶりの再会
 前々から「午前十時の映画祭」には興味があったのですが、残念ながら見たことが無かったです。先日、僕の中ではアジア映画史上ベスト(二位は「君さえいれば 金枝玉葉」)と思っている「さらば、わが愛 覇王別姫」が上映されていると聞いて、「スクリーンで見られる最後の機会かもしれないし」と見てきました。

 「さらば、わが愛」を初めて見たのは20年前だし、二度目に見たのは十数年前なので、懐かしいというより、つまらなく感じたら嫌だなと思っていたら、全くそんなことは無かったです。むしろ今年度の上映だったら、今年ベストと言い切りますね。名画は色あせないってホントだね。

 子供のころから一緒に育ち、項羽と虞姫を一緒に演じた小楼(チャン・フォンイー)と蝶衣(レスリー・チェン)の人生を日中戦争、国民党と共産党の抗争に揺れる中国の現代史に落とし込んで描くという壮大というか、ダイナミックな話です。そういえばこの映画を見た後中国の現代史に興味を持って、「蒼穹の昴」を読んだこともあったな。

 小楼は蝶衣に友情を感じますが、蝶衣は小楼に愛情を感じるすれ違いの話なんですよね。小楼が結婚する菊仙(コン・リー)を蝶衣に紹介するシーンで、蝶衣は菊仙に目すら合わせずに激怒して扉を強く閉じて去っていくシーンなんて、乙女そのものだし。笑っちゃいけないシーンだけど、笑ってしまった。

 京劇を大衆の前で演じるのは序盤だけで、中盤以降は日本軍、国民党員、共産党員の前で演じ、「京劇なんて古い」と共産党員に言われたり、小楼、蝶衣は悪いことをしたわけでもないのに、自己批判を迫られると、演じることを許されない役者の悲劇の話と読むこともできます。

 昔見たときには感じませんでしたが、コン・リー演じる菊仙が凄く魅力的です。夫の借金を夫に代わって取り立てるぐらいパワフルだし、身重の体を押して夫と国民党員の乱闘を止めに入ると素晴らしく男前なんですよね。ここまで魅力的なヒロインはいない。 

 菊仙は「娼婦上がりの菊仙を愛していない」と小楼に自己批判されてことに絶望を感じて、自殺します。「王の寵愛を失ったら死を選ぶ」ことを思うと、虞姫は蝶衣ではなく、菊仙なのでは?とも読めます。

 自己批判の日から11年後に蝶衣が自殺するところで終わります。自分の愛が小楼に届かなかった絶望、小楼の自己批判のきっかけを作って菊仙を死なせた責任、老いて「覇王別姫」を演じることができなくなった小楼への絶望とあらゆるものが蝶衣を包んで死を選んだのか?と考えさせられました。

 そう、この映画は見た人の数だけ、解釈が異なるミステリなんですね。監督を務めたチェン・カイコーは「解釈は見た人がすればいいから」とイチイチ解説するとは思えないし。こんなに引き出しが多く、底が深い映画ってそうはないです。見るのは三度目に関わらず圧倒された三時間でした。

 ホントに名画は色あせないんだなと思わされました。今度は「君さえいれば」か「恋する惑星」が見たいんだけど、上映してくれないかな。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

[2014/04/08 22:12] | サブカル | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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